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English in マルタブログ!

Yet Another JUGEM.
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何も変えてはならぬ
たまには本職の音楽の話。

たとえばベートーヴェンのピアノソナタはピアノの専門家を目指す人間にとっては聖書、いや教科書のようなもの。一つのソナタを弾きこなし、人前で弾けるところまでにするには相当の時間を要する。いや、相当の時間を費やしても弾きこなせない場合もある。
「どうしてこんなに音符が多くて、
こんなに難しいの?」
という箇所はいくらでもあり、
「どうしてこの曲をすらすら弾ける奴がいるの?」
と我が身の才能の無さを嘆く事も多々ある。



この曲を弾くのに、音符一つとて変えてはならない。
省略もしてはならない。
カットして短くする事もならない。
#が5つもあって弾きにくいからと、
ハ長調に変える事もならない。

つまり、「何一つ変えない」事が鉄則。

元にあるものをいじくり出したらきりがない。
「何一つ変えない」で何百年もの間をたくさんの演奏家が同じ作品を弾いてきたところに意味がある。
全く同じものだからこそ、
私達は自分の技量がわかる、
弾いている人間の技量もわかる、
技術だけでなく解釈も表現の個人差もわかる。
元のものが同じだからこそ、比較ができる。
自分のレベルがいやでもわかる。


だから「何も変えてはならぬ」なのだ。

偉大な先人たちが残した文化遺産はこうして引き継がれて来たし、これからもこのまま引き継がれていく。
この基盤の上にはジャズがあったり、
私の生徒さんであるKさんが好きな、
「弾きやすくて、きれいで、
心が癒される気持ちの良い」
ピアノ曲もたくさんある。
歌舞伎で言うなら、
何一つ変えずに受け継がれて来た作品の先に、
「創作歌舞伎」や「新作歌舞伎」
があるのと同じ事だろう。


何かを学んでいくには「技術の向上」なくして、
本当の面白さはあり得ない。
この「技術」を取得するためには、「音符一つ変えない」で何万人の人間が長い年月を弾き続けて来た作品を学ぶのが一番だと私は思う。

長い歴史の中で時々、
奇跡のような人間が現れ、
奇跡のような事をやり遂げて、それを残して行く。

それらは「何一つ変えず」に、
守り続けていかなければならない。
そして、その先にある「表現の自由」も、
約束されなければならない。

そう、できたなら、
あとはお好きに!
いかようにも!

という最高のおまけがついてる。

だから、そこまで行ってみよう!

| 音楽を聴くこと。 | 17:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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